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金地金(堅実度:★★☆)

金地金の仕組みやメリット・デメリット、堅実度が星2つの理由を解説しています。

金地金投資のメリットとデメリット

金地金投資のメリット

●無価値にならず、換金性が高い。
金地金は究極の現物資産であり、株や債券などと違って紙屑同然になることがありません。世界各国で換金可能な点も評価できます。

●景気に左右されない
金地金はそのものに価値があるため、政治経済が不安定でもあまり影響を受けません。経済不安に陥った場合、安全資産として注目される傾向にあります。

●燃えない
紙幣は、紙なので火で燃えてしまいますが、金は例え火事にあっても燃えてなくなることがありません。

●現物を保有することができる
金地金は、購入すると実際にゴールドバーを手にすることができ、その独特の感触を楽しむことができます。ずっしりとした重さやひんやりした感触、それでいながらどこかしら温かみのある金の魅力を肌で感じられます。

●5年以上の保有で税金が減額される
金地金を売却時には、譲渡所得として課税されますが、5年以上保有すると、課税対象となる売却益が半分に減額されるメリットがあります。最大40%の累進課税の場合、20%も減額されます。

金地金投資のデメリット

●まとまった資金が必要
金地金の販売は500g~1kgが中心で、ある程度まとまった資金(1Kg500万円前後)が必要となります。少量単位の購入は、手数料が割高となるため、コストを考えるなら500g以上を購入することをお勧めします。

●利息がつかない
金地金は、ただ保有しているだけでは預貯金と違って利息が付かないため、利益を生みません。売り買いの際の差額で利益を出すしかないため、全資産の10%程度を金で保有すると良いと言われています。

●500g未満だとバーチャージがかかる
金地金は、500g未満で売買すると、「バーチャージ」という手数料が発生します。これは、信頼のおける金を提供するためであり、一旦買い取りした金はそのまま再販せず、溶解・検査をして新しい地金に製造し直すので、その際の費用と言われています。手数料は取扱い会社によって異なるため要確認です。

●盗難のおそれがある
金地金を家で保管すると、常に盗難の心配をしなくてはなりません。安全のためには、多少コストがかかっても金地金取扱い会社による保管サービスを利用したほうが良いでしょう。

●売買する会社が異なると不利益になることもある
売買する会社が違うと、売却時に査定量が取られたり、買取不可となる可能性があるため、基本的に金地金の売買は、同じ取扱い会社で行うようにしましょう。

●日本国内での2つの金取引リスク
金は、国際間ではドルで取引され、日本ではドルでの金価格をその時の為替レートで円換算するため、「金価格の変動リスク」と、「為替リスク」の2重のリスクがあると言えます。国際金価格に変動がなくても、為替レートが変動すれば日本での金価格が変動してしまうため、どちらにも気を配らなければなりません。また、価格やレートが変動するということは、金を買った時点の価格の元本保証も無いということです。これらのリスクを理解した上で投資を行うことが大切です。

金地金よりもリスクの少ないゴールドの投資方法とは?

金地金による金投資の仕組み

「金地金(きんじがね)」といえば、一番イメージしやすいのが、金の延べ棒ではないでしょうか。他に、インゴットや金塊とも呼ばれることもあります。

金地金は、全国の金融機関、商社、精錬会社、貴金属店、鉱山会社等で購入でき、店舗で直接購入するか、電話やインターネットでの注文も可能です。

各取引会社では、複数のバーサイズが用意されており、日本で流通している地金の基本サイズは、5g、10g、20g、50g、100g、500g、1kg等。取扱い会社によっては1gや200g、300g、12.5kgなどの特別サイズもあります。

500g以下の重量で購入する場合、「バーチャージ」(手数料)や「スモールバーチャージ」(加工賃)が必要になるため、とても割高感があります。1kgの金地金を購入することができれば、最もコストをかけずに金を手に入れることができるでしょう。

金地金の表面には、製造番号、製錬業者のマーク、重量、品位(純度)などが刻印されており、その刻印を見て、純度の高い金であるかなどを判断できます。

金に「999.9」の表示があれば、高純度の金である証明であり、フォーナインと呼ばれます。国内で流通している地金のほとんどはフォーナインです。

金のブランドによって刻印は違いますが、指標として、ロンドンの国際的金市場に登録されている「ロンドン・グッド・デリバリー・バー」であれば、世界中で通用する信頼と安全性があるといって良いでしょう。

購入の際には、こちらに公認のブランドであるかどうかを必ず確認してください。

日本の場合、経済産業省の外郭団体の社団法人「日本金地金流通協会」があり、こちらの会員であれば、信頼できる会社と考えて良いと思われます。

また、金地金にも売値と買値があり、その差額をスプレッドといいます。スプレッドの額は、取扱い会社によって異なり、差額が小さいほうが投資効率が良いため、おすすめです。その他の手数料とスプレッドをきちんと確認した上で契約をするようにしましょう。

堅実度が★2つの理由としては、まとまった資金が必要な点や500g未満の購入だとバーチャージ等の手数料がかかってしまうことなどが上げられます。少額投資がしたい方にはあまり向かない投資法と言えます。

堅実度が高いゴールドの投資方法とは?

【純金積立のリスクについて】

●元本割れの可能性がある

比較的安定した金融商品のため、元本割れの可能性は極めて低いですが、絶対にないこととは言えません。また、短期で投資をやめてしまった場合にも、ドルコスト平均法のリスク分散効果が得られず、損をしてしまう可能性があります。

●買い付け手数料や年会費が発生する

取扱い会社によって金額が異なりますが、手数料や年会費が発生します。それぞれの金取扱い会社の投資方針をよく見て、納得のいく会社を選びましょう。

●消費寄託の会社では金が保護されない

金の保管方法が消費寄託の場合、万が一取扱い会社が破綻した際、金が返却されなかったり、一部しか戻ってこないことがあります。特定保管を採用している会社では、必ず金が保護されます。

●スプレッドによる価格差がある

買取価格と小売価格との間にあらかじめ設けられている差額をスプレッドと言い、常に買い値と売り値に価格差が生じるため、買いと売りを同時に行うと必ず損をしてしまいます。スプレッドは金取扱い会社の手数料であり、会社ごとに違うので、利益を増やすためにも必ずチェックしてください。